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またしても景表法違反。スシローの虚偽広告について

こんにちは。石川県金沢市の総合広告代理店PR ENGINEの沼田です。

今回はまたしても起こった、回転ずし大手「あきんどスシロー」の景品表示法違反である有利誤認についてです。

広告掲示、消費者への真摯な姿勢、社内体制(販促体制)について改めて考えたいと思います。

有利誤認とは?

有利誤認については消費者庁ホームページに下記のような記載があります。

(1)実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

(2)競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

(消費者庁ホームページより引用)

不当に顧客を誘引することで、消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる有利誤認表示を禁止しています。

故意に偽って表示するだけでなく誤って表示してしまった場合も景品表示法違反となり規制されることになるので注意が必要です。

事の発端は?

今回の件は、一つのツイートがきっかけで広く世に知れ渡ることになります。

このツイートは私も目にしましたが、画像のPOPを見る限り開催日は書いておらず終了日の表記のみ。これで半額期間中ではないという返答はもはや有利誤認を超えた「虚偽広告」です。

キャンペーン開始は7月13日から。それ以前に店頭にPOPを掲示していた店舗は全国で32店舗に及びます。

街頭店舗で半額だと思い注文した方にはレシート持参で差額金の返金対応をとるとのこと。

スシロー「ビール半額キャンペーン」(HPより)

前回のおとり広告のお詫びと対策をホームページに掲載した矢先の出来事

あきんどスシローのホームページでは、7月8日にNEWS欄で「景品表示法違反に関するお詫びと対応策について」という記事を掲載したばかりです。

その中で下記のような記載も見受けられました。

1)コンプライアンス意識の向上と日常業務への反映を徹底

① 経営陣を含めたコンプライアンス教育の実施によるコンプライアンス意識の向上(景品表示法など関係する法令についての教育を徹底)

② 経営陣による、社内への継続的なコンプライアンスに関する情報発信を実施することにより、全社一丸となったコンプライアンス意識の醸成と、各自の業務への反映を徹底

(あきんどスシロー景品表示法違反に関するお詫びと対応策についてより引用)

現状コンプライアンス意識の醸成と、各自の業務への反映が十分になされていないと感じさせる出来事です。

13日の開店前に掲示などの指示が出ていればキャンペーン前に掲示を開始することが防げたのではないでしょうか?

この短期間で消費者の信頼を失う行為を二度も行ったことは大きな問題であると捉えています。

先に発表された「景品表示法違反に関するお詫びと対応策について」以外にも社内体制、情報伝達手段、店舗レベルでの意識改革が必要な時期なのではないでしょうか。

役員の報酬をカットしても、改善されないのでは意味がありません。

消費者の問題点

「またスシローか」

「これは消費者庁コラボ案件」

「いつからという記載がないのはかなり問題があるのでは」

「完全にアウト」

など批判する声もあるのですが、

「半額なの飲みに来た」

「スシロービール半額🍺」

「ビール半額に釣られて」

「普段全く来ないけどビール半額なの知ってきた」

という声もTwitter上で見受けられます。

企業への信頼より安く飲めるという点がその人の中で上回っていること、安ければこのような悪質な企業でも利用するという消費者心理にも問題があるのではないかと私は考えてしまいます。

長い不況の中で企業への信頼<価格という価値観の人が増えているのではないだろうか?そのような人たちが今後おとり広告の被害にあってしまわないだろうか?という懸念が拭いきれません。

現在弊社コンテンツでは販促について紹介をしていますが、今回のPOP掲示に関しても消費者へのプロモーションとして正しい意思統一と伝達体制がなぜ取られていなかったのか、今後どのように対策していくつもりでいるのかは販促広告を取り扱う者としても一消費者としても注視すべき出来事だと認識しています。

信頼は築くのは大変ですが壊れるときは一瞬です。この短期間に二度も消費者を裏切ったスシローが今後どのような報告・謝罪・社内体制の強化などをするかは多くのニュースがあふれる中でも忘れずに追っていきたい出来事です。